教えて！住まいの先生

大阪で設計事務所をしています。

「塔は木組み、木は木の癖組み、木の癖組は人の癖組み」これは法隆寺の宮大工、故西岡常一さんの言葉です。
家も色々な人が建設に関わります。良い仕事をする設計者、工務店は数多くいます。しかし、西岡さんが云っておられるのはそう云う人達の組み合わせ如何によって、良い家にも悪い家にもなってしまう事を示唆しています。良い仕事をするのは最低条件で、建築主・設計者・工務店（各職人さん）の相性が良くて、工事が上手く回転しないと悪い家造りになってしまいますよと云っているのです。
知人から評判を聞いて、紹介してもらって家を建てても、質問者さん自身と相性が合うかどうかは判りません。

まずは、御自分で色々探す事から始めて、目を肥やす事でしょう。方法は最近の事ですからインターネットで検索すれば簡単に見つかります。住宅専門ポータルサイトも数多くあります。

http://www.green-h.org/green_house/
http://www.ken2-jp.com/

この手のサイトは必ず連絡先が書いてあり、メールで問い合わせする事が出来ます。電話番号も書いてありますが、私はメールで問い合わせされる事をお勧めします。書いたメール全てが打ち合わせ議事録となり、云った云わないの事故が未然に防げるからです。また、応答履歴の頻度や相手の誠実さを探る事が出来て、複数社を比較検討する場合の客観的な資料にもなります。
少し手間ですが、そう云う人間関係を構築されてから、「ここは！」と思う設計者・工務店と面談し、抱いていたイメージと合っているかどうかを確認するのです。私へ仕事を依頼される方もそう云う事を繰り返されておられるようです。会う前からある程度人間関係が構築されていますから、会った後の話しがスムーズです。

こう云った作業が面倒とお感じになるのであれば、工務店でなしに、ハウスメーカーがお手軽です。
ハウスメーカーの規格住宅では、人間の感情が介在する余地がありません。モデルハウスへ行って、気に入った会社と契約すればあとはマニュアルに沿って自動的に建ち上がります。しかし、愛着の薄い建物になってしまいます。一生を掛けて重いローンを払い続けるのですから、家に対する愛着は重要かと思います。愛着の沸かないモノに対し月々○○万円もの返済を続けるかと思うと人生が空しくなりませんか？同じ払うなら払い甲斐のある家にしたいと思いませんか？それならば面倒がらずに色々と建築する過程を楽しんで下さい＾＾
新しい家はどんな家でも綺麗で新鮮です。来客も褒めてくれます。しかし、何処にでもある普通の家ならば数年もすれば誰も何も云わなくなります。そこに残るのは月々の空しい支払いだけです。そんな家で我慢できますか？造るなら規格化されていない自分の為の自分だけの家にした方が、支払い甲斐があるのではないでしょうか。

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