教えて！住まいの先生

不動産コンサルタントの長嶋修と申します。早速ですがご質問にお答えします。

日本の住宅（建物）の資産価値は、新築を建てたその瞬間が最も高く、人が住んだ瞬間に15％-20％の価値下落。その後25年-30年をかけて限りなくゼロに近づく、というものです。

大手ハウスメーカーで建てたものでも、地元の工務店のものでも同じですし、建物のグレードによっての差はないといえます。本来、業界には｢査定マニュアル」というものがあり、これに従えば建物のグレードなどによって価格差がつくことになっていますが、中古住宅の査定の場面では、このマニュアルはあまり使われていません。

築20年の建物の場合、｢基本的にはほぼゼロ査定だけど、まだまだ十分に住めるから200万くらいにしておきましょうか」などといった、業界外の方が知るとちょっと驚くような価格づけのやり方をしています。

もっとも、このような手法は好ましくないため、不動産流通市場（中古住宅市場）を抜本的に改正しようといった動きを国交省は行なっており、将来はこの限りではありません。建物価値が経年で下落するのは、先進国でも日本だけなのですが、日本でもようやく、この課題を打開すべく政策面でもいくつかの動きが出始めています。

不動産流通市場活性化フォーラム
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000042.html

これから中古住宅市場は「あいかわらず価値が落ち続ける住宅」と「価値が落ちない住宅」との二極分化が始まります。正確にいえば、両者のレンジの中で価格に大きなばらつきが出る時代がしばらく続くことになるわけです。

中古住宅の品質や寿命には大きなばらつきがあります。その見極めポイントについてはこちらで簡単に解説しています。

※100年もつ「お宝物件」を見極める8つのポイント
http://diamond.jp/articles/-/14145

お答えになっていますでしょうか？nandedaro3351さんと不動産との関係が幸せに結ばれますよう、お祈りしています。

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