教えて！住まいの先生

一部抜粋したものです↓
一部繰り上げ返済には大きく分けて「返済期間を変えずに毎月返済額を減らす方法」と「毎月返済額を変えずに返済期間を短縮する方法」がある。3000万円を返済期間35年、当初の返済金利1.075％で借り入れ、１年後に金利が2.075％に上昇、２年後に100万円を繰り上げ返済するケースで試算してみよう。

まず、返済期間を変えずに毎月返済額を減らす方法で繰り上げ返済すると、どうなるか。繰り上げ返済する前の毎月返済額は約8万6000円だった。ところが、繰り上げ返済すると、その時点の金利とローン残高と残存期間で再計算され、毎月返済額は減らせないどころか、約9万7000万円に上昇してしまう。一方、返済期間を短縮しようとするとどうなるか。この場合も再計算の仕組みは同じだ。返済期間を当初の設定より短くしようとすると、毎月返済額が先ほどの試算の約9万7000円よりさらに高くなる計算だ。返済額急上昇を避けようとすると期間短縮ができないので、この試算ケースでは毎月返済額を変える方法と同じ結果になると考えられる。

変動金利の住宅ローンは、将来の金利変動で返済計画がどうなるか、予測も計算もきわめて難しい。金利が上昇したときに返済額が上がることについてよく注意喚起されるが、返済金利が変わっても５年間は返済額が変わらないほか、５年後の返済額見直しの際には従前の返済額の1.25倍までしか上げないルールもあり、毎月返済負担が一気に膨らむ恐れはそれほどない。ただし、こうした安全策の裏返しとして、金利上昇時には元本返済が予定よりどんどん遅れていく恐れが大きく、返済計画の先行きがどうなるか分からなくなってしまう。通常なら毎月の返済負担を減らせるはずの一部繰り上げ返済が、逆に家計を圧迫することにもなり得る。こうした金利変動リスクを銀行ではなく借り手が引き受ける引き換えとして、固定金利より金利水準が低いと考えてもいいかもしれない。

繰り上げ返済で家計負担が予想外に増加するのを防ぐには、５年に一度やってくる毎月返済額の見直し時期に合わせて一部繰り上げ返済を実行するのが一案だ。そうすれば、少なくとも「金利が変動しても５年間は毎月返済額が変わらない」という状態を保つことができる。
これを見る限り余裕のあるときに少しずつの返済はよくないということでしょうか？