教えて！住まいの先生

はじめまして。中古マンションのホームインスペクション（住宅診断・状況調査）を行なっている建築士の辻と申します。

ディスポーザーがついていると、ついていないシンクよりは水が溜まりやすいことがあります。理由は２つ。

①ディスポーザー内の食べ物が器具の底を塞ぎ水を通過しにくくする
②配管内に汚れが溜まりやすい

①は見た目通りの出来事で仕組みとしては単純です。②が起きてなくてもディスポーザーの底に細かい食べ物が溜まるといつでも起き得ます。

※水栓が、排水できる量を上回るほどものすごく大量に吐水できてしまうというケースは除きます（ものすごい勢いになり水が飛び跳ねると思うので、たぶんないとは思いますが）

●こんな状況なら特に問題はなし

ディスポーザーを回し終えたあと、底に食べ物が詰まっていない状態で排水し、水が溜まらなければ、単純に食べ物で水の流れが邪魔されていただけとなります。

②の問題はひとまず気にしなくて大丈夫でしょう。

●こんなときは配管汚れを疑う

もしディスポーザーにも、ディスポーザーを外して見える排水口にもごみが詰まっていないのにいつも水が溜まってしまうのであれば、②を疑います。

ディスポーザーは食べ物をすり潰して流す仕組みではありますが、食べ物の一部は器具の隙間から砕かれずにそのまま流れたりもします。

キッチンシンクは油なども流し、配管内は汚れが付着しやすいことから、そこに固形の食べ物が堆積していく可能性は大いにあるのです。

●配管内の詰まりが疑われるときは

長さ１ｍくらいの配管用ワイヤーブラシは市販されているものの、ディスポーザーの先の配管は曲がりくねっていて個人では差し込むのも難しく、汚れを取るのは困難です。

最も効果的なのは、管理組合単位で年に１回くらい行われる業者による「排水管清掃」を受けること。

専門業者はかなり長い専用のホースを排水管に突っ込み、高圧をかけた水流で配管を洗浄します。食品や洗剤などを流しているだけの配管なら十分に洗浄効果はあります。

●管理組合の排水管清掃は必ず受ける

だいたいは平日に行わるため、都合が合わず清掃を受けないケースがあります。

ですが、１回清掃を受けられないと２年分の汚れが蓄積していますから、次の清掃では同じ洗浄能力でも汚れが掻き取りきれない可能性も。

配管内の堆積物のせいで水が流れなくなると、市販のラバーカップなどでは対象できず、個人で専門業者を呼ばないといけない場合もあります。排水管清掃は自分のためにも必ず受けましょう。

なかなか予定が合わず排水管清掃を受け損ねる方は、管理組合や管理会社に早めに日程を知らせるよう伝え、また、都合が合わない家庭は土曜日などにも清掃してもらえるよう頼んでみてください。

●ディスポーザーの使い方のコツ

鶏肉の骨や玉ねぎ・長ネギの皮、トウモロコシのヒゲといったものを入れると粉砕されず、器具に絡みがちで掃除も大変ですし排水しづらくなる原因になります。調理時はこれらのものはゴミ袋に捨てることをお勧めします。

また、前述のように油も配管を詰まらせる原因になりますので、食べ物をダイレクトに流すディスポーザーではより一層意図的に、キッチンペーパーなどで拭ってから食器を洗うよう心掛けます。便利さのために少しの努力が必要なのです。

なお、ディスポーザーの種類により、すり潰した食べ物を排出しやすいよう粉砕中に自動的に器具内に水が出るものがありますが、古いタイプのディスポーザーだとその機能が無いことも。

水が流れない機種の時は、ディスポーザーを回している最中は少し水を出しておくとすり潰したものがスムーズに配管を流れていくと思います。

以上、ご参考になれば幸いです。

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