教えて！住まいの先生

法人と役員個人は別人格なので法的にも全く問題ありません。両手媒介なら法人が媒介手数料を受け取るのも合法です。役員個人に法人が手数料を請求することも可能です。

社長が自宅を売りたいという場合に自分の会社の社員に顧客を探させるというのはごく普通にある事で、実務でもよくある話です。その際にはむしろ社長本人に媒介手数料を請求しないと、その分は報酬と見なされて課税される可能性すら考えられます。

顧客の不満は「宅建業者が仲介することで会社が重要事項説明責任を持つので個人だけでなく会社も責任を持つから買主保護という目的がある。仲介料はいわばその保証料。責任感を持っている売主なら必ず会社を通す。」という説明で納得してもらえば良いかと思います。

ただし売主である役員個人が、その取引を「業として行う」ものであった場合は、法人としての業者が宅建業の免許を持っているだけでは足りず、個人としての役員本人も宅建業の免許が必要です。

ではどういう場合が「業として行う」行為であるかは法に明記されているわけではなく、「業として行う」行為に近いか遠いかという指標があるだけですので、自身の場合に当てはめて違法行為にならないかどうか個々に判断する必要があります。

たとえば先祖から持っていた土地を不要になったので処分するのに、ひとりの売主に全部一括売却したという場合なら「業として行う」行為には限りなく遠いので合法と判断できますが、その土地を分割して複数の人に売却した(個人名で直接分譲販売した)ということになると「業として行う」行為と判断されてしまいます。

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