教えて！住まいの先生

①相続放棄の管理義務の対象者が明確になりました。
「現に占有している」者に限り、相続放棄後の管理義務を負う
これまでの法律では、相続放棄後の管理義務の対象者が不透明でした。
民法が改正され2023年4月から責任者が明確になりました。条文に、「その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは」と言う規定が設けられました。
民法940条
相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

、これまでは全員が相続放棄した場合、最後に放棄した相続人が遺産を管理しなければなりませんでした。しかし、改正民法が施行し、「現に占有している」実態がなかった相続人に、管理責任が移ることはなくなりました。
なお、「現に占有」とは「事実上、支配や管理をしている」状態を指します。たとえば、被相続人の自宅に暮らしている相続人は、相続財産である自宅を「現に占有」していると言えるため、相続放棄後も管理しなければなりません。
仮に空き家を相続放棄した場合、その建物の手入れなどに関わっていなければ、「現に占有」とは言えないため管理義務を負うことはありません。
例えば大阪で暮らしていた親が亡くなって、東京に暮らす子どもが相続放棄した場合は当該、家の手入れに全く関わっていなければ、管理義務の責任はないです。
一方、相続以前に子どもが親と一緒に暮らしていたとして親の死後、その子が相続放棄したら、これまでの改正前の法律では次順位の相続人である「親の兄弟姉妹」に管理責任が移っていましたが、今後は兄弟姉妹が相続放棄すれば、最終的に管理責任を負うのは、あくまで「現に占有」している子どもです。
②農地について‥
被相続人が許可なく転用していた場合は相続人が原状回復する責任があります。許可なく転用した土地を売買する時はまず当該土地を原状回復してからの
申請になるのが原則です。この案件は時々あります。所轄課に農地法5条転用許可の事前協議時に「あの土地は許可なく転用していますね。明らかな農地法違反です。原状に戻して下さい」と言われます。で、「じゃ土地を原状回復させたら許可になるのですか？」との問いに「それとこれとは別問題です。まずは当該土地を原状回復させるのが原則です」。と言われますね。
不動産に関する法律で一番、厳しいのは農地法です。（3年以下の懲役または300万以下の罰金）それに一番、厄介な「原状回復命令」が備わっています。これが最大の問題ですね。

• なるほど：0
• そうだね：0
• ありがとう：0

この回答が不快なら