教えて！住まいの先生

本来のリクエスト対象者さんから回答が得られる前に、少々横槍を入れさせて下さい。

本件では「納税の義務」と「代金の支払い義務」が混同されている気がします。相談なさった宅建協会から得られた見解はおそらく前者についてではないでしょうか。ご承知の通り固定資産税はその年の１月１日時点で課税台帳に登録されている所有者に課せられる税金ですので、今年の分の税金はこれから購入し所有権を得る貴方ではなく、売主に課税されます。要求されているお金が「固定資産税」で、購入者である貴方がそれを納税すべしと売主から言われているのであれば、応じなければならない根拠はありません。

逆に、売主が要求しているのが「固定資産税相当額」なのであれば、それは売主がルール通りに納税する固定資産税を「完成物件の維持管理費」の一部であると捉えていて、他の販売経費と同じく支出として扱い、それを踏まえた事業計画の中で利益を得るために設定した販売価格の中に含まれる要素のひとつだと考えられます。建物を完成させエンドユーザーに引渡すまでにかかった税金を、例えば同じ期間にかかった水道光熱費や広告宣伝費等と同様に価格に上乗せしているということだと思います。厳密に言えば１月に課税された１年分の税金を丸ごと価格にオンするのかという疑問は残りますので、これから費用の取扱いについて売主に疑義を提するのであればその辺りが切り口になる気はします。

一方「何故こんなに高いのか」ということについては、固定資産税を正確に算定するには今記されている情報だけでは不足していますので半分は感覚論でのコメントになりますが、少なくとも私の印象としては総額3000万超、土地70㎡の新築物件の固定資産税の金額としてはそこまで違和感はありません。都市部ならそれぐらいかかることはあるだろうと思います。尤も、新築住宅には当初３年間（一般住宅の場合）固定資産税の減額特例がありますので、立地なども含め詳細が解らなければ何とも言えない点もありますが。ただ、貴方が要求されているのは「納税」ではなく「販売経費の負担」なのでしょうから、そこで税金の算定根拠を基に高い・安いを議論しても埒が明かない気がします。

どうすればいいのか？ということですが、ここは改めて売主に売買価格の構成について再度きちんと説明して貰って、貴方が売主の代わりに固定資産税を払うという訳ではないことで理解に至るしかないと思います。その上で設定された17万円込みの金額に納得がいけば購入、納得がいかないならこれまでの経緯を踏まえて減額交渉でもして、叶わなければ購入を断念するということになるのではないでしょうか。

本件は税額としての適否や「納税義務者は誰か」という問題ではなく、販売価格に含まれる経費のひとつについて購入者として納得がいくかどうかという問題だと思います。売主に異議を唱えるとすれば、固定資産税相当額を購入者に負担させるならば賦課期日から引渡の前日までの日割分くらいは売主が負担すべきではないのかとか、金額は減税特例適用後のものにするべきだとかいうことを主張するぐらいだと思います。もしかすると、この17万円という金額は既に日割計算された後の金額である可能性もあります。例えばマンションでも、完成売りの物件は竣工後に一度売主の所有名義となり、分譲の引渡し日を境に売主と購入者とで固都税を分担することがあります。本件もそれと同様のパターンかも知れませんが、ご質問文からは判断できかねます。売主にしっかりとした説明を求め、それを正確に理解しましょう。長文になり申し訳ありません。

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