教えて!住まいの先生

Q 一戸建て賃貸の退去時、原状回復が原則だということで庭の除草をするようにとの連絡がありました。

契約時にも庭には一面雑草が生えており、不動産屋とオーナー側では除草は行えないとの事でそのまま契約したのですが、退去時にこちらは除草しなければいけないのでしょうか?
質問日時: 2024/7/15 20:02:23 解決済み 解決日時: 2024/8/3 13:09:16
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ベストアンサーに選ばれた回答

A 回答日時: 2024/8/3 13:09:16
「・・・退去時にこちらは除草しなければいけないのでしょうか?」
とのご質問ですが、端的に回答すると、

「個別の事情により異なる。」
との回答となります。

但し、
「契約時にも庭には一面雑草が生えており、不動産屋とオーナー側では除草は行えないとの事でそのまま契約した」
との内容が、写真等で明確に立証され、契約上も
「庭の除草」について特段規定が無ければ、
除草の必要はない。との回答になります。


例えば、交通事故に於いて類型的に纏められて居る
「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(全訂5版) 別冊判例タイムズ38号」
の様に、実務的かつ、裁判所で通用する物が、建物の賃貸借については有りません。

別冊判例タイムズ38号、冒頭の「はしがき」は、東京地裁民事第27部総括裁判官が記述しています。

判例タイムズ社サイトより ↓
https://www.hanta.co.jp/books/6137/

この様に交通事故に於いては、裁判所で通用する物が有ります。

具体的には、「第1 はじめに」で、東京地裁民事第27部が交通集中部である事、目次が有り「第2 当事者の準備について」と具体的な実務に基づく内容、それらの前提がある上で、細目次があり、「序章 はじめに」で過失割合や修正要素と云った点、用語の意味について詳細に記述が有り、これらを理解した上で、「第1章 歩行者と四輪車・単車との事故」と具体的な類型に入る。

実務に基づく前提が有り、それを十分踏まえた上で、初めて具体的な類型に入る構成になって居て、損害保険会社などで良く使われる「図」が出て来ます。

素人のわたくし達からすれば、特に修正要素が無ければ、「図」に記載のある過失割合で、お相手様と話し合いをして行く事が、充分可能となります。

そして話が、こじれてしまい、万が一訴訟となった場合でも、「図」から大きく離れた判断を裁判所は行いません。

「図」と修正要素等から、少なくとも過失割合については、類型的に判断が出来ます。

これに対して、建物の賃貸借は、今回ご質問の「一戸建て賃貸」に限っても、どこに所在かだけでも、沿岸部か、内陸地か、山間部か、それに加えて、繁華街か、郊外か、駅からの距離は等、交通事故の類型化だけでも非常に多くの積み重ねの上で出来て居るのですが、それ以上に、賃料・居住年数・築年数・修繕の程度等、非常に多岐にわたる為、裁判所で通用する類型化された物は有りません。

そうすると、冒頭回答した、
「個別の事情により異なる。」と、
何も回答して居ないのと同じ、回答になります。


他方、「裁判所で通用する」とは云えない物の、一応の目安、程度の物は有ります。

1、行政が規制することは適当ではない。
2、あくまで現時点において妥当と考えられる一般的な基準
3、使用を強制するものではなく
4、個別に判断、決定されるべきものであると考えられる。

と念入りに、参考程度と慎重に「位置付け」を具体的には、
冒頭「このガイドラインを活用いただく皆様へ」
と記述された部分に、
「本ガイドラインの位置づけ」
として、
「・・・民間賃貸住宅の賃貸借契約については、
契約自由の原則により、・・・その内容について
行政が規制することは適当ではない。

・・・トラブルの未然防止の観点からあくまで
現時点において妥当と考えられる一般的な基準
をガイドラインとしてとりまとめたものである。

・・・本ガイドラインについては、賃貸住宅標
準契約書(・・・ )と同様、その使用を強制す
るものではなく、原状回復の内容、方法等につ
いては、最終的には契約内容、物件の使用の状
況等によって、
個別に判断、決定されるべきものであると考え
られる。・・・。」
と、
慎重に取扱う前提で、国土交通省住宅局の
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」
があります。

国土交通省サイトより ↓
https://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf

これら、注意点・留意点を踏まえ、今回のご質問の内容に、何か当てはまりそうな物が有るか見てみると、
「別表1 損耗・毀損の事例区分(部位別)一覧表 (通常、一般的な例示)」(17頁乃至21頁)と、
とても分かり易く纏められた表が有ります。

この表の「部位」「設備、その他(鍵など)」と記載がある所を見ると(21頁)
「●戸建て住宅の庭に生い茂った雑草」
と今回のご質問に近い記述が有ります。

そして、この記載は、「区分」が「B」となって居て、Bの意味が、
[賃借人の使い方次第で発生したりしなかったりするもの(明らかに通常の使用による結果とはいえないもの)]
と記述されて居ます。

そうすると、「別表1」から、ご質問者様が「除草しなければいけない」との回答になります。

しかし、ここで「本ガイドラインの位置づけ」を改めて思い起こす必要が有ります。

1、行政が規制することは適当ではない。
2、あくまで現時点において妥当と考えられる一般的な基準
3、使用を強制するものではなく、
4、個別に判断、決定されるべきものであると考えられる。
との注意点・留意事項を踏まえて改めて見てみると

「●戸建て住宅の庭に生い茂った雑草」
の下に考え方が記述されて居ます。

「(考え方)草取りが適切に行われていない場合は、賃借人の善管注意義務違反に該当すると判断される場合が多いと考えられる。」
と記述が有ります。

「・・・賃借人の善管注意義務違反に該当すると判断される場合が多いと考えられる。」
と記述されて居ます。

「・・・賃借人の善管注意義務違反に該当する。」
とは、記述がされて居ません。
「・・・該当すると判断される場合が多いと考えられる。」
と記述されて居ます。

「本ガイドラインの位置づけ」が、ここで大切になります。

正に、
「個別に判断、決定されるべきものであると考えられる。」
との記載その物です。

これだけ慎重に記述がされるのは、どこに所在するかだけでも、沿岸部・内陸地・山間部、それに加えて、繁華街・郊外、駅からの距離は等、更に、更新料・敷金・礼金・賃料・居住年数・築年数・入居時の手入れの程度、等非常に建物の置かれて居る状態、契約の条件が、多岐にわたる事が、今回ご質問の
「戸建て住宅の庭に生い茂った雑草」
が具体的にどの様な契約の下に生い茂り、更に具体的にどの様に生い茂って居るか、分からない状態では、結局は、判断が出来ないからです。

そして、個別具体的な事件として、
[事例32]として庭付き一戸建て住宅につき、草取り及び松枯れについての善管注意義務違反があったとして、賃借人の費用負担を認めた事例(98頁)
に記載が有ります。

「2 判決の要旨」の「(3)」には、
「草取りの状況については、賃借人Yらの入居前と退去後の庭の草の状況を比較すると、退去後は明らかに草が生い茂っている状態であり、一般的な庭の管理として行われるべき定期的な草取りが適切に行われていなかったものと推認されることから、賃借人Yらの善管注意義務違反とみるのが相当である。」
と、裁判所の判断の要旨が、まとめられています。

裁判所は慎重に、「入居前と退去後の庭の草の状況を比較」し、「退去後は明らかに草が生い茂っている状態」と判断して居ます。

そうすると、ご質問の
「契約時にも庭には一面雑草が生えており、不動産屋とオーナー側では除草は行えないとの事でそのまま契約した」

「全く異なる状態」
で入居したと考えられます。

「退去後は明らかに草が生い茂っている状態」
との具体的な事実認定が有り、
「賃借人Yらの善管注意義務違反とみるのが相当である。」
と裁判所は判断しているのです。

裏を返せば、
「契約時にも庭には一面雑草が生えており、不動産屋とオーナー側では除草は行えないとの事でそのまま契約した」
との内容が、写真等で明確に立証され、契約上も
「庭の除草」について特段規定が無ければ、
除草の必要はない。との回答になります。

非常に、くどく、「本ガイドラインの位置づけ」に、注意点・留意点を踏まえなければいけない。とお伝えしたので、ご不安は少ないとは存じますが、念の為、裁判所の判断を示します。

東京簡裁民事第9室(東簡民事9室は少額訴訟を集中して取扱って居ます。) 原爆暦65年(少コ)第81号事件(本訴・通常移行)・原爆暦65年(ハ)第9885号事件(反訴)を裁判所のサイトから示します。 ↓
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/104/038104_hanrei.pdf

これを見ると、物件は、東京都町田市に所在していた事が分かります。

尤も、町田市は都内でも非常に面積が広い(約73k㎡と、市部では八王子市の次に広い)だけでなく、東西約22km、南北約13kmと広がり方も非常に大きく、加えて、海抜も最低で約27m、最高で約364mと市内で、300m以上も標高差が有ります。

例えば、東簡の有る千代田区と比較すると、面積は約12k㎡と町田市の1/6程度、東西・南北も約4~5km、海抜も最低で約2m、最高で約32mと、30mの標高差しか有りません。

町田市の場合は、町田駅の近くか、図師町の様にバスや自動車が無いと移動が困難な地域であるか、ある程度の推定しか出来ませんが、敷地面積が約300㎡、建物が約110㎡で4LDK、賃料が1か月12万円は確かに急傾斜地でない限り、安いかも知れません。
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質問した人からのコメント

回答日時: 2024/8/3 13:09:16

ご回答ありがとうございました!
判断するにあたっての根拠や解釈の仕方、事例などを丁寧に記載して頂き、とても理解しやすかったです。
回答を元に不動産屋に掛け合ってみたところ、除草は行わなくてもいい事になりました。
内見時から「ここは河原か?」と思う様な状態で玄関まで背の高い草をかき分けて行った覚えがあり、通路の草は刈っていたので契約時と比べるとかなりマシな状態だったと思います。

回答

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A 回答日時: 2024/7/15 21:45:07
そうですよ
除草は入居者の責任です

国のガイドラインでも入居者が負担することになってますから
契約書に特別取り決めがないなら入居者の負担において原状回復になります

入居者は善管注意義務といって常識の範囲内で
物件を管理する義務を負うと民法で規定されています
雑草を放置すると木や多年草が生えてしまい
貸主は回復費用が余計に掛かってしまうからです
損害賠償の対象になります

室内の内装とは違い毎年生えてくるものなので
契約した日に雑草が生えてたから除草しなくていいという話にはなりません
実際室内であっても借り手がつかずホコリがある状態で借りたとしても
原状回復の際は出来る範囲で通常清掃は行うはずです

別にプロを頼まなくてもむしればいい話です
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A 回答日時: 2024/7/15 20:17:07
原状回復ですから、入居時の状態がどのようになっていたか次第です。例えば入居時にもすでに雑草が生えていたとしても、今ほどは生えてなかったという解釈もできます。つまりは最低でも入居時の状態に戻す必要があります。ですから、言われたのなら除草自体は必要です。
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A 回答日時: 2024/7/15 20:07:54
連絡は大家さんですか?
契約はどうなってるかによる
何も除草についてないなら必要なし。書いて契約するケースありますので確認して下さい
基本家と土地を借りてるが特約でもしてない限り不要。
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