教えて！住まいの先生

マンションごとに規約・細則が異なるので、結論的にはそれをご確認くださいと言うほかないのですが、ここでは一般論をお答えします。

国交省が作成した「標準管理規約」というのがあります。これはマンション管理規約のひな型で、新築分譲時に分譲業者は、これをベースに規約を作成します。その後、マンションごとにそれぞれの事情に合わせて少しずつ変更していくことになります。(標準管理規約は以下のURLでご確認ください。)

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001746766.pdf

さて、本題ですが、「入居届」の「入居」にこだわる必要はないと思います。標準管理規約31条には以下のように規定されています。

（届出義務）
第31条 新たに組合員の資格を取得し、又は喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならない。
２ 組合員は、前項で届け出た内容に変更がある場合には、直ちにその旨を書面により届け出なければならない。

そして、巻末の31条関係コメント（P21～22）を見ると、「区分所有権取得・喪失届出書」と「住所等変更届出書」の様式例が示されています。これは規約によって組合員名簿の作成が義務付けられているためです。

また、管理組合によっては、それ以外に入居者名簿を作成するために「入居者届」を提出させている場合もあります。

このように「届出書」が複数にまたがるので、管理組合によってはそれらを1枚にまとめている場合も考えられます。おそらくあなたの入居予定のマンション管理組合で「入居届」というのは、そういうものではないかと思います。

ですから、お母さまがまだ入居していないにもかかわらず「入居届」を出したからといって、それは「区分所有権取得届」のことでしょう。それが法的に問題になることはありません。ただし、管理費等の引き落としが始まるので、現住所や連絡先と入居予定日を空スペースに書いておけば問題ありません。

そして、あなたの場合も同様に現住所や連絡先と入居予定日を空スペースに書いておけば問題ありません。

さて、世帯主の件ですが、これは役所に住民登録する際の「世帯主」と同じでよいと思います。そこも予定としておけば問題ありません。ですから、あなたが世帯主になるのであれば、あなたが入居されたときにもう一度、「入居届」を出してくれと言われたら、それを提出すればよいと思います。

ちなみに、管理組合では組合員（＝区分所有者）がだれかということは問題になっても、「世帯主」がだれかということは特に問題になることはありません。というのは、管理費等の支払い義務は法的に区分所有者が負うので、当然、相続によって区分所有者になられたお母さまが負うことになります。

とどのつまりが、管理組合から「入居届」を出し直してくださいと言われたら、素直に出していけばよいのです。

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