教えて!住まいの先生
Q 田園調布の高級住宅街は今後、どうなると思いますか? 今、大変みたい。 ↓ 空き家が増加中。 高級住宅街「田園調布」の住民が、 自らの首を絞めることとなった“建築協定”とは?
5/3(火) 17:01配信
幻冬舎ゴールドオンライン
近年、都内の高級住宅地に空き家が増加するという現象が起こっています。それはかつての高級住宅地の代名詞「田園調布」も例外ではありません。
なぜ、空き家が増加しているのか? その原因のひとつである“建築協定”とはどんなものかについて解説します。
渋沢栄一が創った理想住宅地「田園調布」
日本資本主義の父と謳われる渋沢栄一。1873年に自ら設立に携わった日本最初の銀行・第一国立銀行(現・みずほ銀行)の総監役に就任したのを皮切りに、次々と銀行の設立、経営を手がけました。
その天賦の才を発揮するフィールドは銀行にとどまることを知らず、ガスや鉄道などのインフラ事業、貿易や保険、新聞など、産業革命後の日本人の暮らしを支える、あらゆる重要事業で活躍しました。
常に未来を見据え、進歩的な目線で社会システムの構築に取り組んだ渋沢栄一。彼が都市づくりを目的に設立した「田園都市株式会社」が開発したのが、現在の「田園調布」である「多摩川台住宅地」です。
イギリスの近代都市計画の祖と敬われている、エベネザー・ハワードというイギリス人社会改良家がいます。
彼が1898年に提唱した、都市労働者が健全な生活を送るため、都市と田園の長所を兼ね備えた、自然の美と都市の機能が同時に享受できる理想都市論が「田園都市論」です。
この「田園都市論」を日本で応用しようと考えたのが渋沢栄一です。
「田園調布」は1923年(大正12年)の誕生以降、昭和の高度経済成長期の一戸建て住宅需要の高まりとともに、高級住宅地の代名詞としてその名を高めていきました。
しかし、近年では「空き家」の増加、それに伴う住人の高年齢化などが懸念されています。
なぜ? 人気住宅地として高名な「田園調布」で、「空き家」が増加したのでしょうか。その理由は“建築協定”にあります。
住民自らが取り決める“建築協定”
建築基準法(第69条~77条)に基づくまちづくりの制度のなかに、“建築協定”というものがあります。建築基準法で定められた国の基準に加えて、住民が自発的に基準を設けるのです。
建築物の形態や用途に関してルールを決めて、互いに守り、監視し合うことで、良好な住環境を永続させていくための制度です。
「田園調布」の場合は、「田園調布憲章」という名のもとに、次のような基準が設けられています。
“●敷地は165平方メートル以上
●建物の高さは9メートル、地上2階建てまで
●敷地周囲に原則として塀は設けず、植栽による生け垣。石材、コンクリートなどの塀の場合、高さ1.2メートル以下
●一定面積の樹木による緑化。既存樹木は原則として残す
●外壁や屋根などの色は、地区の環境に調和した落ち着いたものとする
●道路や敷地境界線から1メートルには塀や門、看板など、緑化を妨げる工作物の設置禁止
●ワンルームタイプの集合住宅は不可”
(2016年10月6日付朝日新聞
「(田園調布…高級住宅地の街:1)時間ゆるり、緑の邸宅街」より引用)
つまり、「田園調布」では165平方メートル以上の敷地がなければ、住宅を建てることが出来ません。
すなわち、土地の所有者が亡くなり、相続人が手放そうとした場合、土地を分割して売ることが難しいという問題が発生してしまうのです。
個人にも、不動産業者にも不都合な土地
例えば、相続人が300平方メートルの土地を売ろうとする場合、分割して売りに出し、各々にしっかり買い手を見つけることは非常に困難です。
なぜなら、最低165平方メートル以上の面積がなければ住宅を建てることができず、この面積を確保するとなると、残りは住宅を建てられる基準には広さが到底及ばず、適切な使途が見当たらないからです。
土地を分割せずに売るとしても、土地代があまりに高額すぎるため、購入できる層の母数がぐっと減ってしまい、こちらも買い手を見つけるのが非常に困難です。
「田園調布」の300平方メートルの土地の相場は1億数千万円にも及ぶと言われています。
では、個人の住宅用ではなく、資金の準備がある不動産業者は買い手になるでしょうか。
この場合も“建築協定”の「田園調布憲章」がネックとなります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fff155d279a17053788c9f6d7e47d5cecd28d3bd?page=2
幻冬舎ゴールドオンライン
近年、都内の高級住宅地に空き家が増加するという現象が起こっています。それはかつての高級住宅地の代名詞「田園調布」も例外ではありません。
なぜ、空き家が増加しているのか? その原因のひとつである“建築協定”とはどんなものかについて解説します。
渋沢栄一が創った理想住宅地「田園調布」
日本資本主義の父と謳われる渋沢栄一。1873年に自ら設立に携わった日本最初の銀行・第一国立銀行(現・みずほ銀行)の総監役に就任したのを皮切りに、次々と銀行の設立、経営を手がけました。
その天賦の才を発揮するフィールドは銀行にとどまることを知らず、ガスや鉄道などのインフラ事業、貿易や保険、新聞など、産業革命後の日本人の暮らしを支える、あらゆる重要事業で活躍しました。
常に未来を見据え、進歩的な目線で社会システムの構築に取り組んだ渋沢栄一。彼が都市づくりを目的に設立した「田園都市株式会社」が開発したのが、現在の「田園調布」である「多摩川台住宅地」です。
イギリスの近代都市計画の祖と敬われている、エベネザー・ハワードというイギリス人社会改良家がいます。
彼が1898年に提唱した、都市労働者が健全な生活を送るため、都市と田園の長所を兼ね備えた、自然の美と都市の機能が同時に享受できる理想都市論が「田園都市論」です。
この「田園都市論」を日本で応用しようと考えたのが渋沢栄一です。
「田園調布」は1923年(大正12年)の誕生以降、昭和の高度経済成長期の一戸建て住宅需要の高まりとともに、高級住宅地の代名詞としてその名を高めていきました。
しかし、近年では「空き家」の増加、それに伴う住人の高年齢化などが懸念されています。
なぜ? 人気住宅地として高名な「田園調布」で、「空き家」が増加したのでしょうか。その理由は“建築協定”にあります。
住民自らが取り決める“建築協定”
建築基準法(第69条~77条)に基づくまちづくりの制度のなかに、“建築協定”というものがあります。建築基準法で定められた国の基準に加えて、住民が自発的に基準を設けるのです。
建築物の形態や用途に関してルールを決めて、互いに守り、監視し合うことで、良好な住環境を永続させていくための制度です。
「田園調布」の場合は、「田園調布憲章」という名のもとに、次のような基準が設けられています。
“●敷地は165平方メートル以上
●建物の高さは9メートル、地上2階建てまで
●敷地周囲に原則として塀は設けず、植栽による生け垣。石材、コンクリートなどの塀の場合、高さ1.2メートル以下
●一定面積の樹木による緑化。既存樹木は原則として残す
●外壁や屋根などの色は、地区の環境に調和した落ち着いたものとする
●道路や敷地境界線から1メートルには塀や門、看板など、緑化を妨げる工作物の設置禁止
●ワンルームタイプの集合住宅は不可”
(2016年10月6日付朝日新聞
「(田園調布…高級住宅地の街:1)時間ゆるり、緑の邸宅街」より引用)
つまり、「田園調布」では165平方メートル以上の敷地がなければ、住宅を建てることが出来ません。
すなわち、土地の所有者が亡くなり、相続人が手放そうとした場合、土地を分割して売ることが難しいという問題が発生してしまうのです。
個人にも、不動産業者にも不都合な土地
例えば、相続人が300平方メートルの土地を売ろうとする場合、分割して売りに出し、各々にしっかり買い手を見つけることは非常に困難です。
なぜなら、最低165平方メートル以上の面積がなければ住宅を建てることができず、この面積を確保するとなると、残りは住宅を建てられる基準には広さが到底及ばず、適切な使途が見当たらないからです。
土地を分割せずに売るとしても、土地代があまりに高額すぎるため、購入できる層の母数がぐっと減ってしまい、こちらも買い手を見つけるのが非常に困難です。
「田園調布」の300平方メートルの土地の相場は1億数千万円にも及ぶと言われています。
では、個人の住宅用ではなく、資金の準備がある不動産業者は買い手になるでしょうか。
この場合も“建築協定”の「田園調布憲章」がネックとなります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fff155d279a17053788c9f6d7e47d5cecd28d3bd?page=2
ベストアンサーに選ばれた回答
A
回答日時:
2022/5/17 00:20:44
どうにもならないでしょうね。
言うても建築協定が有る以上売却する事だって難しいのだから。
せめて建築協定を緩めれば多少は良くなるでしょうけれども今住んでいる住民からしたら其れは田園調布の価値を下げる事になるからね。
言うても建築協定が有る以上売却する事だって難しいのだから。
せめて建築協定を緩めれば多少は良くなるでしょうけれども今住んでいる住民からしたら其れは田園調布の価値を下げる事になるからね。
質問した人からのコメント
回答日時: 2022/5/17 00:20:44
田園調布の良き時代、
もう終わったな!
これから廃墟になっていくね。
回答
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A
回答日時:
2022/5/9 20:15:00
東急線沿線で不動産仲介してるけど田園調布もいずれは
狭い戸建てを建てれる様になる可能性はあります。
ただし田園調布はまだ23区で人気なので区分けして販売して
も可能になれば購入者は多くいると思います。
逆に郊外23区外の住宅地は今後田園調布よりも悲惨に
なる可能性のが高いですよ
狭い戸建てを建てれる様になる可能性はあります。
ただし田園調布はまだ23区で人気なので区分けして販売して
も可能になれば購入者は多くいると思います。
逆に郊外23区外の住宅地は今後田園調布よりも悲惨に
なる可能性のが高いですよ
A
回答日時:
2022/5/6 10:54:47
こんにちは。都内で不動産経営をしている者です。
1)田園調布は整理して開発された街並みはあるのですが、代々木公園、駒沢公園、世田谷公園などといった大きな公園がある訳でもなくイベント性に乏しい街なので、今後は金持ち老人の街の様相が更に進んでいく可能性があります。
2)田園調布で育った人も大人になると渋谷区や港区に住みたがるので、当然、相続した家や土地を売却する人は増える一方で、建築協定エリアは面積に応じて総額が高くなるので、単価は下がっていくのが必然かと思います。
★成城5丁目、6丁目も同様の雰囲気はありますが、田園調布の場合は同じ東横線沿線沿いに、八雲、深沢など公園も近くて、キレイな街並みで、区画も田園調布より小さくて買いやすい、若い世帯にも人気の街があるので、成城よりも厳しい競争に晒されているとも言えると思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
1)田園調布は整理して開発された街並みはあるのですが、代々木公園、駒沢公園、世田谷公園などといった大きな公園がある訳でもなくイベント性に乏しい街なので、今後は金持ち老人の街の様相が更に進んでいく可能性があります。
2)田園調布で育った人も大人になると渋谷区や港区に住みたがるので、当然、相続した家や土地を売却する人は増える一方で、建築協定エリアは面積に応じて総額が高くなるので、単価は下がっていくのが必然かと思います。
★成城5丁目、6丁目も同様の雰囲気はありますが、田園調布の場合は同じ東横線沿線沿いに、八雲、深沢など公園も近くて、キレイな街並みで、区画も田園調布より小さくて買いやすい、若い世帯にも人気の街があるので、成城よりも厳しい競争に晒されているとも言えると思います。
以上、ご参考になれば幸いです。
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