教えて！住まいの先生

>「戸建新築０〜３年以内に売却したことのある方」

たぶんいても恥ずかしくて言えないんじゃないでしょうか。

現金でぽんと戸建ての土地建物を購入する人なんてごくごく希で、ほとんどのひとは住宅ローンで購入しています。

一日でも人が住めば中古住宅なので、中古相場でなければ売れませんが、そもそも住宅ローンなら土地と家に抵当権が設定されているので、抵当権設定を解除しなければ売りたくても売れません。抵当権設定を解除するには当然ながら住宅ローンは一括で全額現金で返済する必要があります。売れたお金で返済しようにも、３年程度じゃたいして返済できていないので、ほとんどの場合、激しいオーバーローンです。

ですから、3年以内に手放す人の大半はローンが払えずに差し押さえられて競売にかけられるか、競売直前の任意売却というのが通り相場です。任意売却というのは融資先からローンが返済しきれない価格で売っても抵当権設定解除して貰える扱いを受けられる債務整理の一種です。自己破産手続きなどと実態は一緒です。

わたしは入札側で競売に参加している関係で、競売外の築浅の中古物件についてもその実態を結構よく知っていますが、本当にびっくりするほど例外なんてありません。

任意売却なら債務整理したことは他人には知られないので、表向きは「転勤で遠くの町に行くので家を手放すことにした」などと誰もがとぼけて言いますが、実際にそんなひとはいません。終の棲家と思って建てた家なら転勤だろういと当然のように家族を残して単身赴任しますからね。だから実際には周囲にはバレバレなのに、自分たちだけはバレていないと信じて嘘をつきます。

任意売却なら、実態は融資先による処分なので、購入したときの半額くらいで任意売却専門業者等に投げ売りされます。業者はそれを軽くリフォームしたりハウスクリーニングした程度で良質な築浅中古住宅だとして転売して儲けますから、業者が儲ける分は安くなければ業者は買えません。

返済不能に陥ってあとは自己破産を待つだけの債務者にとっては、いくらで売れようとどうでもいい話なので全く興味がありませんから、不動産屋と融資先だけで売値は決定され、競売で売れるだろう額よりも、競売手数料がかからない分、多少安い程度の額で売り飛ばされます。

ちなみに競売にかかったときの価格というのは、中古住宅としての安い相場のさらに6割程度が基準価額です。実態はかなり悲惨な物ですよ。破綻した債務者はどこまでも嘘をつくので、高く売れて儲かったなどと笑っていたりしますから、そういう表面的な話は世間に流れてきますけれどね。

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