教えて！住まいの先生

建築設計・ホームインスペクション（住宅診断・住宅検査）を行っている建築士の鈴木です。リクエストありがとうございます。

鉄筋コンクリート（ＲＣ）造だからといって住戸間の壁（戸境壁・界壁・間仕切壁等名称は様々です）が鉄筋コンクリートであるとは限りません。間取りの制約やコストなど色々な都合で鉄筋コンクリート以外の材料を採用することは良くあることです。ＲＣ以外の材料を用いても同等あるいはそれ以上の防音性や遮音性を備えた部屋にすることも可能です。要は間仕切壁の素材と厚さによります。

音の聞こえ方や気になる度合は人それぞれで感覚的な部分もありますので、このような問題はやっかいなものです。「木造や鉄骨造よりはいい物件だ」というのも漠然とした言い方ではありますが鉄筋コンクリート造の一般的な特徴としては間違いではないかもしれません。「リノベーション」という用語も注意が必要で、入居者変更時の単なる壁紙の貼り替えであってもリノベーションと言っている場合だってあります。

今回の場合には質問者さんが「隣の話し声が聞こえない」という条件を出していたこと、その賃貸住宅が「楽器可」として紹介されていることを考えると、多少の交渉の余地はあるのかもしれません。私が質問者さんの立場ならば、仲介業者さんに実際に隣室からの音を聞いて頂いた上で「私は隣の話し声が聞こえないという条件であなたにこの部屋を紹介してもらいました。この建物は楽器可とのことですから普通の建物よりは音に対して配慮されているはずです。一般的には楽器の音よりも人の話し声やくしゃみ、笑い声、カーテンを閉める音の方が小さいと思うのですが、実際に聞いて頂いていかがでしょうか。これは私の出した条件に合致した部屋なのでしょうか？」と聞いてみます。とは言え、賃貸契約も済ませているでしょうし、相手のあることですので参考までに読んで頂けると幸いです。

最後に、社会生活を営む上で知識や情報はないよりはあった方が断然良いです。悲しいことに不誠実な人や組織は存在します。建築・不動産関係には大きなお金が動きます。建築そのもののことは当然として契約や法律、お金など様々な知識や情報が必要になります。相手は曲がりなりにもその道のプロです。一般の素人がプロを相手に交渉をしようとすればそれなりに勉強することも必要でしょう。それでも、きっと知識や情報量でプロには勝てないと思います。プロに対抗するには同等かあるいはそれ以上の力のあるプロの存在が不可欠です。そのような人脈があれば使った方が良いでしょうし、なければ探す、雇う、買う等の方法も検討する必要があるのではないでしょうか？どのような分野であっても、そのような心掛けや努力が必要な時代になってしまったのではないかと個人的には考えています。寂しいことですが・・・

参考になりましたら幸いです。

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