教えて！住まいの先生

はじめまして。ホームインスペクション（住宅診断、住宅検査）を行っている建築士の辻と申します。

窓を閉めてベランダや共用廊下に聞こえていなければ、下階住戸に音楽が漏れてしまうことは通常考えづらいです。

椅子を引く音などはフローリングなどコンクリートに直接接触している建材を経由して、コンクリートに振動を与えることで他住戸に伝わります。

コンクリートの壁・床・柱などでつながっているがゆえに、子供が走る音や家具を引きずる音が上下に関わらず、過去には隣戸や斜め下・上住戸から聞こえてきた事例もあります。

対して音楽は空気を伝わる音ですから、自身の窓の外や玄関ドア、壁の外で聞こえていないならそこから更に離れた位置で騒音を感じることはないと考えられます。

ただし、たとえば大型のスピーカーをコンクリート壁や床に直接触れさせるように置いていると、重低音など特定の音域の音がコンクリートを僅かに振動させ、他住戸に騒音として伝わる可能性はあります。コンクリートに直接触れさせる置き方は避けたほうがいいと思います。

なお、聞こえないだろうと思いつつ「もしかしたら聞こえていて迷惑かけてるかも…」と心配なときは、下階の方に「ご迷惑をおかけしてないでしょうか」とご自分から聞きに行ってしまうというのもお勧めです。

仮に聞こえているなら教えてくれるでしょうし、聞こえていないならそれがわかってホッとできます。

以上、ご参考になれば幸いです。

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