教えて！住まいの先生

新築であれ、中古であれ、値上げの可能性はあり得るでしょう。これは管理会社がドコか、という問題とは全く別問題です。
まず、「管理費」「修繕積立金」は全く別物なので、分けて考えた方が良いです。あと、分譲マンションにおける管理会社の立場についても。
分譲マンションには管理会社が付いていて当たり前と思われるでしょうが、管理会社が付いていないマンションもあります。本来分譲マンションの管理は各部屋の所有者一人一人の集合体である「管理組合」にて行うものです。実際、そういうマンションも存在し「自主管理」と呼ばれています。自主管理であっても経費はかかるでしょうから、「管理費」などの費用を住民全員で負担し、将来の修繕に備えて「修繕積立金」も積んでおきます。
ただ、これを住民達で全て行うのは難しいので、管理業務の一部または概ね全部を外部に委託する管理組合がほとんどです。委託される業者が「管理会社」です。管理会社は委託を受ける存在ですから、本来は管理組合がメインで、管理組合に助言しつつもその意向に沿うのが管理会社の立場です。よって、管理費等が値上げするかどうかも同じです。管理会社は、将来の事を考えるとこの様に値上げすべきだ、という助言を、資料を添えて管理組合に行いますが、それを受けるかどうかは、管理組合が決めます。そういう関係ですから、同じ管理会社が管理するマンションでも、その内容は大きく異なる場合があります。
それを踏まえ「管理費」が値上げされるかというと、普通は上がる事はないです。根拠なく上げることを提案したら、管理会社は替えられてしまうかもしれませんし。「修繕積立金」は、築年数が経つに従い増えるのが普通です。築年数が経つに従い修繕する必要が増えるからです。ただ、計画書は作成するものの、その通りに実施するかは、その時になってから管理組合で決める事です。「１０年おきに外壁補修」という計画を作ったとしても、７～８年で補修の必要が生じれば前倒しを考えざるを得ないでしょうし（そんな事は滅多にありませんが）、１０年経っても急いで修繕する必要がなさそうであれば実施を数年先に延ばすこともあるでしょうし（こっちは良くあるケースです）。また、分譲時から将来の値上げ計画を用意しているマンションもありますが、この通りに値上げを実施しているマンションも珍しいのでは、と思います。

要は、全ての決定権は管理会社ではなく管理組合、つまり住民みんなの多数意見、という事です。すばらしい管理計画を作成する能力もさることながら、管理について素人である住民にどれだけ丁寧に管理計画の必要性を説明し賛同を得られるかが、管理会社に求められるのかもしれないですね。

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