教えて！住まいの先生

ホームインスペクション（住宅診断・住宅検査）を行っている建築士の辻と申します。

おそらく、ご心配されている家の中の音については、外に漏れだしている・・・というか、外部の人に筒抜けという心配はないと思います。

●人の耳は、いろいろな音が雑音として発生しているときには、それらの音をまとめて一気に聞いていて、逆に雑音が少なくなるほど、ある音だけを敏感に聞いてしまう傾向にあります。

部屋の時計の音が日中はまったく気にならないのに、ベッドの中で寝ようとしているときに秒針の音が聞こえて気になる、なんていうのが例です。

１日の中で、午後よりは人の出が少なく静かな午前中や、人が寝静まった深夜などは、雑音が少ないことで、バイクや犬、人の咳などの特定の音を耳が拾いやすくなっていると言えます。

●「窓（サッシ）を閉めているのに聞こえるということは、窓の遮音性能が低いのでは？」とご心配になるかもしれませんが、fadagasさんのお住いのマンションが、交通量の多い幹線道路沿いなどではなく比較的静かな住宅街にあるのであれば、窓にはもとも遮音性能が低いサッシを使っていると思います。

住宅設計においては、車や電車などの騒音が大きい地域ほど窓に遮音性が高いサッシを使い、住宅街などの騒音がひどくない＝静かな地域では、窓には遮音性能が低いサッシを使うように設計します。

静かな地域で遮音性能が高い窓を使用してしまうと、外の音をシャットアウトしすぎてしまい、共同住宅では、通常はまず聞こえない上階からのほんのちょっとの音ですら、耳が敏感にキャッチしてしまうこともあるからです。

バイクの音や犬の鳴き声など、単発でたまに聞こえる音に対しては、常時遮音する必要はありませんから、多少聞こえてきてしまうのは致し方ないとお考えください。

●では、室内の音が外に筒抜けでは・・・という点ですが、外は静かとはいえ、家の中ほどではありません。

家の中は、テレビなどを消してしまえば、いいところ冷蔵庫や時計の音くらいしか音がありませんし、壁・窓で密封した空間ですから、かなり静かです。

ですが、外は、いくら街が寝静まっている時間であっても密封した空間ではありませんから、多少の「音」が存在しています。ですから、外にいる人は「静かな雑音」を聞いていますから、ある家の中で人がしゃべったり、トイレの水を流したり、歩いたりする音が外の人に聞こえるということはないと考えていいでしょう。

なお、音楽やテレビなどは、音量がかなり大きければ、日中は雑音でかき消されていたものが、同じ音量でも深夜は静寂により響きやすくなる、ということがあるかもしれません。

もしご心配な場合は、いつもの音量でテレビをつけておいて、夜外に聞きに行ってみてくださいね。

お役に立てれば幸いです！

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