教えて！住まいの先生

1380万/30坪＝坪単価46万円。
外構・地盤改良・バルコニー・ガレージ・太陽光発電・制震ダンパー
などが別オプション料金になっていてこの価格なら、
ローコスト住宅としては普通の値段ではないですかね。

ただ、原価を明確に表示していますし、金がかかる設備は浴室や
キッチン・トイレなどの各家に１つずつしかない水回り部屋ですので
超過坪単価38万円という換算方法は本来は当たり前の考え方なのですが、
一般的に見て充分良心的と言えるでしょう。

全国CMを打っているような大手HMの標準グレードくらいは
それなりに満たしていますので、それでよろしければ問題ありません。
逆に言うと、本来はこれくらいの値段で済むものが
莫大な広告人件費を上乗せされて出回っているということです。


ただし、しっかりとした優良工務店と比べると
著しくグレードの低いローコストなりの代物です。
ちなみに、省エネルギー+創エネルギーによる持続可能な社会を目指す
ZEH(ネット・ゼロエネルギー・ハウス)ビルダーに登録されていません。

＜断熱＞１つのエアコンで全館快適な温度にする高断熱高気密性能を
売りにする工務店が多い中で、各部屋に付けますよということは
断熱性能はかなり低く、夏暑く冬寒く光熱費がかさむことでしょう。
あと、天井埋め込み式エアコンていいですか？会社じゃあるまいし、
掃除も取り換えも面倒で融通が利きませんよ。

断熱材のウレタンフォームは火災時に有毒なガスを出しますし、
精度の高い壁内結露対策がとられているかは不明です。
Low-E複層ガラス・樹脂サッシ以上が標準の工務店も多い中で、
アルミ樹脂複合でLow-Eオプションなのは、断熱性能は勿論
結露対策も低レベルだと思われます。

＜耐震＞地震対策は「耐震＝壊れにくい」「制震＝揺れを制御する」
「免震＝揺れを受けにくくする」「液状化対策」の４つの
総合力で決まります。「耐震」は問題ありませんが、
「制震」ダンパーがオプションなのは恐ろしいですね。

今の基準に沿って正しく造られていれば「耐震」が満たされない
家はありませんが、「制震」「免震」が施されていないと
揺れがダイレクトに伝わり、住人・家具の転倒や内外壁の剥落被害
は大きくなってしまいます。地震保障は全壊で約半分・半壊で1/4
程度の補償ですので、これらの被害はほとんど補償されません。
オプションの柱状改良も「免震」「液状化対策」にはなりませんし、
近年は六価クロムなどの環境汚染が問題になっています。

＜スタッフの質＞50件前後の新築・改築を同時進行していますから
営業マン・大工の質は当たり外れが大きいでしょう。
工期も２ヶ月程度ですから、規格品を組み立てるだけの作業です。
その点は大手HMと全く同じ課題を抱えていると言えるでしょう。

＜プラチナコート外壁＞約30年間、色あせ・日焼けを抑え
とありますが、プラスチックですから静電気が埃や汚れを呼び寄せ
普通に汚れます。色あせ・日焼けだけ防いでも意味はありません。
10年で大規模洗浄、20年で取り換えるか悩むようになります。
太陽光やエコキュートなどはたかだか耐用年数10～15年程度で
設置後はどんどん劣化していきます。
定期的なメンテナンス・取り換え費用も計算しておくべきです。

＜健康被害＞今の住宅業界で用いられている建材の多くは
合板集成材・樹脂(プラスチック)を大量の接着剤で貼り合わせ、
防虫剤・防腐剤に大量の有害化学物質を用いており、
アレルギー・アトピー・精神疾患等をもたらします。
Ｆ☆☆☆☆などという低い基準は気休めにしかなりません。
大手HMやローコスト住宅では特に酷い物が用いられています。


家族の健康と財産をどこまで守るべきかという価値観次第では、
とても良心的なローコスト住宅だとも評価できますし、
安かろう悪かろうなローコスト住宅だとも言えます。

できれば、もう少し「構造」「建材」「断熱」「耐災」「制度」
等について書籍・雑誌を購読・研究されてから、幅広く粘り強く
HM・工務店を吟味・選定された方が賢明かと存じます。

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