教えて！住まいの先生

はじめまして。中古マンションのホームインスペクション（住宅診断・住宅検査）を行っている建築士の辻と申します。

築30年を超えたマンションは、管理組合（所有者全員）の運営状況により、この先3・40年使えるか又は老朽化を我慢して住み続け資産価値がなくなるかが変わってきます。

築30年以上に限定せず、分譲マンションは以下により長期間住み続けられるか、資産価値を維持できるかに違いが出ます。

・建物の傷みに対して都度適した修繕を行ってきたか（修繕履歴）
・管理組合（所有者全員）に「建物を長持ちさせたい」「資産価値を維持したい」意欲があるか
・管理組合の「修繕積立金」は今後計画している大きな修繕が行えるくらい貯まっているか（資金状況）

マンション建設時の設計にもよりますが、一般に適切な修繕を行っていれば建物は60年から長ければ100年近く使えると言われています。

ところが、分譲マンションは複数所有者が合意形成できないと建物の修繕が実施できません。また、修繕にもお金がかかるため、いざやろうと決議が取れても、それまでに必要なお金を積み立てていなければ、金銭的に実行できなくなります。

4・50年間あまり積極的に修繕してこなかった管理組合が、さすがに老朽化に慌てて建て替えを検討することになった場合、これまで適切な維持管理を行って来ていない管理組合ですから、お金が足りなかったり所有者の意思がまとまらないなので現実的には建て替えなどできない可能性が高いでしょう。

対して30年以上前に建ったマンションでも、管理組合が必要のお金をあらかじめ積み立てていて、12・3年ごとに大規模修繕を繰り返し、より長持ちするように手を加えていれば50年以上、長ければ100年近く使える可能性は10分にあります。

古いマンションを購入する場合は、このどちらのマンションになりそうなのかをご自身で判断するために、上記でご紹介した管理組合の運営状況等について、仲介会社に依頼して情報を取り寄せてもらうことが大事です。

築30年を超えていても新しい設備機器に取り替えるなどして、とても新しいマンションのように使えている物件もたくさんあります。

以上、ご参考になれば幸いです。

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