教えて！住まいの先生

yasuera124さん、はじめまして。建築設計・ホームインスペクション（住宅診断・住宅検査）を行っている建築士の鈴木と申します。

新築分譲マンションの購入を検討するにあたって、立地や価格、外観デザインや内装、設備機器のスペックだけでなく管理の重要性にお気付きになられているようで、大変素晴らしいことだと思います。

新築分譲マンションの場合、名の通った財閥系のデベロッパーであるなしに関わらず、一般的には管理組合結成後、指定した管理会社に管理を委託することが契約書に謳われていることが多く、委託先はデベロッパーの子会社や関連会社であることがほとんどです。ですので購入時にマンションを買う側が管理会社を選ぶことはほとんど不可能かと思います。その意味では「管理を買う」ことが可能なのは、購入前に実際の管理状態を確認できる中古マンションの場合なのかもしれません。しかしながら管理の重要性は新築であれ中古であれ変わりませんので、購入者側が持っておくべき大切な意識です。

分譲マンションでは購入者達が入居後にマンション管理組合を結成しマンションの管理を行うことになります。組合員の中から理事や理事長などの役員を選出してマンション内の様々な問題点に対処します。日々の清掃に関してや将来の修繕工事に対処するための積立金の管理などやることは多岐にわたります。マンションには多くの入居者（組合員）がいますので意見の取りまとめを行うために理事会、そして総会があるはずです。このような組織やマンションの決まりごとについてはマンションごとに「管理規約」等が定められているかと思います。

とは言っても、それぞれ家庭や仕事で多忙な入居者がそれら全てを行うことは現実的でなかったり、役員に必要以上の負担がかかる、等の理由から組合業務の一部（あるいは全部）を管理会社に委託することが良くあります。その場合組合員から毎月いくらかの管理費を徴収して管理会社の委託費に充てていると思います。つまり管理会社は委託費を受け取る代わりに組合員に対してサービスを提供する立場にある訳です。ずさんな管理をされては困りますが、必要以上に高額な管理料も月々のことですので大変かと思います。要は支払いに対するサービスの質のバランスが重要です。管理組合の総会の議決を経て管理会社を変更することも可能ですが、様々な思いのある組合員の意見をまとめることは思いのほか大変なことも事実です。マンションは竣工後何十年も存在し、入居者はそこで生活していく訳ですので、入居者（組合員）の側でも「自分達のマンションは自分達で守る」という自治の精神は必要なのではないかと思います。

上記のことが、戸建と違いマンションで生活することの特徴かも知れませんが、同じ建物に生活する人たちと同じ想いを共有することが出来れば快適なマンション生活を過ごすことも可能です。

参考になりましたら幸いです。

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