教えて！住まいの先生

離れた所にある発生源から飛来する「ハエ」は非常に厄介です。かつて昔、東京湾の夢の島と呼ばれるゴミ埋め立て地で超大量発生したハエが、京浜の湾岸全域に飛来して白い建物が黒くなった・という事例があります。結局これは夢の島の殺虫対策 (発生源対策) を繰り返すことで解決したのですが、飛来を食い止める方法はなかったということです。

しかし「新築してこれから先が長いのに」何も対策できないのでは困りますので、手間や費用はかかりますが次をご参考にしてみて下さい。
まず、ハエを含む虫全般は仲間のいるところに集まる性質があり、同種の臭い (集合フェロモンと呼ぶ) に向かうためと考えられていますが、それを多く含むのが糞なのです。従って現状汚染された糞を一度完全にクリーニングする必要があると思います。見えている部分だけでなく、ベランダの下とか周囲・壁面・高いところも含めてすべて高圧洗浄などで取り除いて下さい。
そして洗浄・乾燥後にできればベランダ全体や壁面等に薬剤散布をし、止まったハエが駆除される体制を一度は構築してみて下さい (仮に効力が１箇月でも・雨でダメになるとしても)。薬剤は待ち伏せ効果のあるゴキブリ用 (家庭向け室内用) などでも結構ですが、ハエの止まる広い範囲に満遍なく撒くようトライして下さい。万単位の出費は厳しいですが業者に依頼すれば楽にできます。
次にその効果がどのくらい出るか、出た場合はどのくらい持つか確認し、ある程度の期間継続するなら、毎年夏前に実施する手段 (ご自身で安全に安くできる方法など) を検討して下さい。年によって・あるいは状況に応じて夏前と秋口の２回実施する必要が出てくるかも知れません。いくらやっても完全に来なくなるすることはできませんが、現状より大幅に少なくなるかも知れません。
もうひとつの手段としてはベランダをネットで覆う方法です。大きなハエでしたら一般住宅の網戸程度のメッシュで止められますので、これを立方的に取り付けてその中に入らせないようにします。大工さんの工事なのでかなりの金額は要しますが、しっかり覆えば効果は確実ですしネットが壊れない限り永遠にもちます。
誰でもわかる物理対策で古めかしいイメージかも知れませんが、結局のところこうした方法に勝る対策はありません。昨今は通販などで音・光・超音波などを駆使した虫除けツールなどが売られていますが、こうした類で確実な効果を保証できるものはありません。長くお住まいになる以上、コストをかけても確実な方法をお選びになることをおすすめします。

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